2009年3月25日水曜日

「切磋琢磨」とは・・・

【意味】
競い合い 

 励ましあって 向上し 
みんな一緒に 上を目指そう

*この四字熟語は、★四字熟語・ことわざ・故事成語「たった31文字で意味まで学べる!」かるたシリーズで取り上げています。


【ひとこと解説】

昨日、第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)において、日本が見事連覇を果たしました。前回の第1回大会ではかなり運が良かったといえそうな優勝でしたが、今回の優勝は本当に日本の強さが証明される形になりました。

ただ、もうひとつ。
やはり韓国も強かったです。前回のオリンピックでも優勝していましたし、韓国の強さも単なる偶然ではなかったことも証明されたように思います。

とはいっても、今回は日本と韓国が5度も対戦するという変わった対戦方式が採用されており、日本に対しての意識が強い韓国にとっては目の前に絶えず日本チームがいたからこそあれだけの力を発揮できたのではないかという気もいたします。

いずれにせよ、日本チームと韓国チームは今後も「切磋琢磨」してお互いの力を向上していってもらいたいと思います。

ところで、この「切磋琢磨」という四字熟語ですが、この4文字のうち後ろの「磋」「琢」「磨」はいずれも「みがく」という意味を有する漢字です。「切」は文字通り「切る」ですから、石や玉を切り刻んだり磨いたりして、きれいな玉(現在で言えば宝石)を作り出すということにこの四字熟語は由来しています。

ただ、厳密にいうと、この四字熟語には二つの使われ方があります。
(1)ひとつは、自分で自分を磨くように、勉強や技芸に励むという意味
(2)もうひとつは、仲間やライバルとぶつかり合うことで結果的に自分も相手も磨かれるという意味
があります。

スポーツ選手にとっては、いつもの練習は(1)の意味での「切磋琢磨」になります。
これに対し、今回のWBCの日本と韓国との関係は(2)の意味での「切磋琢磨」になります。


それにしても、今回目を引いたのは韓国チームの監督の人柄です。とても人間的に素晴らしい発言をされていました。
また、日本の原辰徳監督も非常に素晴らしかったように思います。若い方はこの原監督の現役時代をご存知ないかもしれませんが、個人的には非常にチャンスに弱く巨人の歴代の4番の中で最もマスコミやファンに叩かれた4番ではないかと思います。

今回、テレビ放送でコメンテーターをされていた清原和博氏も西武時代にはとても記憶に残る活躍をされていましたが、巨人に来たら重圧(プレッシャー)に押しつぶされたのか西武時代ほどの活躍には至りませんでした。

原監督は若大将だのプリンスだの言われていますが、原監督が現役時代に得た大きな財産は「大きな重圧(プレッシャー)に慣れてしまったこと」ではないかと思います。
長嶋茂雄氏や王貞治氏の後を受ける形で巨人の4番に座ったものの、長嶋・王との比較で絶えず重圧(プレッシャー)に苦しんだものと思われます。しかし、逆に今ではこの経験が原監督の大きな財産になっているわけです。ピンチになって大将がオドオドしていたら、選手はその大将にはついていけませんから。

本来なら、このような世界での大舞台では重圧(プレッシャー)に負けてしまう人が多いところ、こういう大舞台で重圧(プレッシャー)を重圧(プレッシャー)と感じることなくなにが起きても動じないところに今の原監督の最大の強みがあるように思います。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言われることがありますが、原監督の場合は大人になってからの苦労が今になって大きな財産になっているわけです。

「苦労」は年齢に関係なく人間の価値を高めてくれます。
「人間、一生勉強」ですし、一生苦労です。苦労をすればするほど人間は大きくなれることを原監督は証明してくれました。

0 件のコメント:

コメントを投稿