仕事における「ほうれんそう」については、ここであえて詳しい説明を加える必要はないと思います。
「報告」「連絡」「相談」の略したもので、会社などの組織において上司が部下の行動や結果を把握し、会社のタテ関係の意思疎通を図るうえで不可欠な行動のひとつです。
どこの会社でもごく通常に行われているものと思われます。
ただ、通常「ほうれんそう」は部下が上司に行うものとされています。部下が上司に「報告」し「連絡」し「相談」するものです。
しかし、先月のNHK教育・木曜22時頃からの番組に出演されていた林文子・現東京日産自動車販売代表取締役社長(元ダイエー代表取締役会長兼CEO)がとても興味深いことを言っていました。
即ち、林社長のところでは上司が部下に「ほうれんそう」を行うよう努めているそうです。
支店長などが部下に「報告」し「連絡」し「相談」しているということです。
上司のほうが心を開いて部下のところまで降りていくということです。部下にとっては失敗や営業成績が悪かったときなど、なかなか上司に報告しにくいことも多いものと思われます。そうなると、都合が悪いことほど上司に報告されず、コンプライアンス上問題が起きても放置されたり、ひどい会社になると上司が知らないところで不祥事が隠蔽させてしまう会社もあるといいます。
しかし、普段から上司が部下にいろいろ「ほうれんそう」することによりタテの関係の風通しがよくなります。
また、「ほうれんそう」を上司が行うことにより、部下も上司の視点(経営的な視点)を持つようになり、結果的に部下が責任感をもって仕事に取り組むという好影響がでるようです。
誰しも人から「やらされている」機械的な仕事ほどいやいややっているものと思われます。でも、責任感をもって自分がやっているという自覚を持てば部下の仕事ぶりも活き活きしていきます。
この林社長はもともとやり手の経営者として有名でしたが、私が見る限りとても参考になる経営者でした。
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